「マナーを知らないせいで、迷惑をかけたらどうしよう」——ラウンド経験が浅い頃、管理人もこの不安を抱えていた。ショットが曲がることより、知らないうちに迷惑をかけることの方が怖かった。実際、管理人もバンカーのならし忘れや、うっかりグリーンのラインを踏んでしまったことがある。失敗した。
ゴルフの本質はここだ。技術があってもマナーが悪ければ一緒に回りたくない。ドライバーが200yd飛ばなくても、一緒に回って気持ちのいいゴルファーはどこへでも連れて行ってもらえる。この記事では、知らないと損をするゴルフマナー10選を、管理人の失敗談と本音を交えて解説する。
① スロープレーは最大のNG|テンポよく動く3つの習慣
スロープレーは技術の問題ではなく、意識の問題だ。打つのが遅いのではなく、準備が遅い。動き出しが遅い。これだけで、後ろの組を待たせてしまったり、同伴者に迷惑をかけてしまう。
① ショット前の素振りは1〜2回まで
素振りを何回もしてからショットに入る人を何人も見てきた。5回、6回と丁寧に素振りを繰り返し、いざ打った結果がチョロだったり空振りだったりする。素振りの回数とショットの質は比例しない。むしろ、素振りを繰り返すことで頭の中がゴチャゴチャになり、判断が鈍くなるケースが多い。
管理人の素振りは基本1回だ。アドレスを確認する意味の1回だけ。難しいライ(急斜面・深いラフ)の時だけ2〜3回に増やす。それ以外は1回で打ちにいく。素振りを減らすだけで1ホールあたり30秒〜1分のペースアップになる。18ホールで積み重なると、最大で30分近い差になる。
② パターは前の人が打つ間にセットしておく
グリーン上でのスロープレーの原因の大半は「自分の番になってから考え始める」ことだ。前の人が打っている間、ぼんやり眺めているだけでは時間が無駄になる。
正しい手順はこうだ。自分の打順を把握したら、前の人がパットしている間にボールの後ろに立ち、ラインと距離感を確認しておく。自分の番がきた時にはアドレスに入れる状態を作る。これだけでグリーン上の時間が大幅に短縮される。ショートパットなら待っている間に確認が終わる(笑)。それくらいのテンポ感でいい。
③ カートからはクラブを複数本持って歩く
カートを離れてボールのある場所まで歩く時、クラブを1本だけ持っていくのはスロープレーの原因になる。距離の読み違いや、ライが予想と違ってクラブを変えたい状況は普通に起きる。その度にカートまで取りに戻ると、それだけで1分以上のロスだ。
管理人は残り130yd程度の距離なら、使いそうなアイアン複数本にウェッジとパターまで一緒に持っていく。全部持って歩いても重さはたいして変わらない。チョロしてグリーン手前に止まっても、そのままアプローチからパターまで対応できる。「取りに戻らない」という習慣だけで、同伴者へのストレスが消える。
② コース・設備への気遣い|これだけ知れば大丈夫
コースは自分だけのものではない。次に使う人への配慮が大事だ。自分が使った後をきれいにしておくことは、ゴルフの根本にあるマナーだ。
① バンカーはレーキを先に持っていく
バンカーに入るとき、多くの初心者は脱出することしか頭にない。管理人も最初はそうだった。必死にバンカーから脱出して、ホッとしてそのまま次の場所へ——ならし忘れた経験が正直何度かある。
解決策はシンプルだ。バンカーに近づいたら、打つ前にレーキをバンカーの縁まで持っていく。先にレーキを手の届く場所に置いておけば、脱出後に自然と手が伸びる。脱出した後の砂の乱れを丁寧にならすのは、次にそのバンカーに入るゴルファーへの最低限の気遣いだ。自分が荒れたバンカーに入りたくないのと同じで、後続の人も同じ気持ちだ。
② グリーンのピッチマークは必ず直す
ボールがグリーンに落ちた時にできるへこみをピッチマーク(ボールマーク)という。これを直さずに放置すると、グリーン面が凸凹になり、次にその上を通過するパットが大きく影響を受ける。
修復の方法は簡単だ。グリーンフォークやなければティーをへこみの縁に刺し、内側に向けて押すように持ち上げてから、パターのフェースで平らに整える。引っ張り上げるのではなく「押して整える」がポイントだ。自分のボールのピッチマークだけでなく、近くに他の人のものがあれば一緒に直す習慣がある人は、同伴者から確実に好印象を持たれる。
③ 同伴者のラインを踏まないように歩く
グリーン上では、他のプレーヤーのボールとカップを結ぶライン(パットライン)を踏まないように歩く。踏まれたラインは芝が乱れ、パットに影響が出る。
ただし、初心者のうちは完璧に把握できなくて当然だ。踏んでしまったかもと気づいた時は、一言「ごめんなさい」と軽く声をかければいい。それだけで十分だ。完璧にやろうとしすぎて動きが止まる方がスロープレーになる。意識しながら少しずつ習慣にしていけばいい。
③ 態度・言動|「一緒に回りたい人」と「一緒に回りたくない人」の差
スコアより、その人の態度を同伴者はよく見ている。ラウンドが終わった後に「あの人とはまた回りたいな」と思うかどうかは、飛距離でも上手さでもなく、その人の立ち振る舞いで決まる。
① 態度・言動に気をつける
ミスショットの後にクラブを地面に叩きつける、放り投げる——これを見た同伴者が感じるのは「怖い」だ。感情をコントロールできない人とは、一緒にいて楽しくない。同伴者は当然嫌な気持ちになるだろう。
ため息も同じだ。大きなため息や「あー最悪」という言葉は、場の空気を重くする。管理人の現実的な落とし所は「ため息は誰にも聞こえないところでする」だ。完全に感情を消す必要はない。でも周囲に聞こえる形で出さない、これだけを意識する。ミスの直後に笑いに変えられると一番いいが、最初はそこまでできなくていい(笑)。
② OBしたら「フォア!」を大きな声でかける
これだけは絶対に覚えてほしい。ボールが人のいる方向へ飛んだ時、または飛んだ可能性がある時は、すぐに「フォア!」と大きな声で叫ぶ。これはゴルフの安全に関わるルールだ。
ゴルフボールが頭部に当たれば大きなケガにつながる。「当たらないだろう」という判断は自分ではできない。ボールは曲がる。木に当たって方向が変わることもある。少しでも人がいる方向へ飛んだと思ったら、恥ずかしがらずに即座に「フォア!」をかける。声が大きければ大きいほどいい。この習慣だけは、初回のラウンドから必ず身につけてほしい。
③ スコアは正確に申告する
「何打だったか自分でも分からなくなった」というのは初心者によくある話だ。でも同伴者は意外とよく見ている(笑)。打数のごまかしや申告ミスを指摘する人は少ないが、気づいていない人はほぼいない。
正確に申告できることは、ゴルフを一緒に楽しめる人の基本条件だ。ミスカウントしてしまった時に「ごめん、1打多かった」と言える人は信頼される。スコアに正直でいることは、マナー以前にゴルフというスポーツへの敬意だ。慣れないうちはホール中に「今何打目」と自分に問いかけながらラウンドする習慣をつけるといい。
④ ティーグラウンドでの素振りは周囲を確認してから
ティーグラウンドで順番を待っている間、横で素振りをする人は多い。その習慣自体は問題ない。問題は周囲を確認せずに振ることだ。
ゴルフクラブは思っているより長い。ドライバーのシャフト長は45インチ前後、グリップ端から刃先まで1メートル以上ある。隣に人が立っていれば、素振りのスイングが普通に届く。素振り前に必ず左右と後ろを確認する。これは事故防止の基本だ。特に初心者同士でのラウンドや、練習場のようにスペースが限られる場所では意識が抜けやすいので注意してほしい。
まとめ|マナーは「気遣い」の積み重ねだ
10のマナーを振り返る。①素振りは1〜2回、②パターは事前にセット、③カートからクラブを複数本持つ、④バンカーはレーキを先に持つ、⑤ピッチマークを直す、⑥同伴者のラインを踏まない、⑦クラブを投げない・ため息を聞かせない、⑧フォアを大きな声でかける、⑨スコアは正確に申告する、⑩素振り前に周囲を確認する。どれも特別な技術はいらない。意識するかどうかだけだ。
「また一緒に回りたい」と思われるかどうかは、ドライバーの飛距離でも、アイアンの精度でも、スコアでもない。気遣いの積み重ねだ。ゴルフを長く楽しむためには仲間が必要だ。マナーはその仲間を作り、維持するための最低限の投資だと管理人は思っている。
マナーが身についたら、次はコースでの判断力を上げることでスコアが変わる。100切りのコースマネジメントと、ラウンド前日・当日のルーティンもあわせて読んでほしい。マナー・準備・戦略の3つが揃うと、ゴルフの楽しさがまったく別の次元になる。


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